さらに、井口は「みんな好きとか嫌いとか明言せず、あいなぷぅも好きとか嫌いとか言わないようにしてくれて」と今回のトークの仕掛けをさらにつまびらかにしつつ、「まだ(この話題はあいなぷぅと)2人でやっていくから」「『有吉の壁』とかでもまだやるんだよ」と今後の展開があり得たことも自ら語っていく。そんな必死な井口を、「こっちも目が覚めた」とザキヤマがあえて突き放す。

 河本の発言の影響はさらに尾を引く。井口のターンが終わり、ロングコートダディに関する話題に移ったときのこと。後輩芸人からの「M-1前に沖縄に女性に会いに行った」との情報に、兎が「ホントのこと言うと、M-1の3日後なんですよ。直前じゃないんですよ」と言うと、有吉は「じゃあもういいや」と次の話題にさっさと移ろうとし、笑いに変えるのだった。

 河本の発言の前後で、トークのルールが変わったかのようだ。が、その潮目の変化を読みながら、井口や淳、有吉らは新しい流れを作っていく。河本の発言で一旦断ち切られたストーリーを、前後が通るように改めて組み立て直す。“お笑い”に仕立て直す。匠の見事なビフォーアフターである(出演者だけでなく番組の編集も含めて)。

「お前の正直さ、怖いよ」