――音楽活動で病まれた馬渡さんですが、また音楽によって助けられたということですね。馬渡さんは現在、如月-kisa-というお名前で再々出発をされています。また昨今の90年代ブームも相まって、馬渡さんの過去の曲もまた注目を集めており、YouTubeにはカバー動画もたくさんアップされていますが、こうしたリスペクトについて思うことは?

馬渡:当時は「馬渡の曲は前衛的だ」「全部『幽遊白書』に聴こえる」と言われることもありましたが、今のシーンはもっと難しい音楽も多いこともあり、「もう一度聴こうかな」と思っていただけているみたいです。

 でも日本でいえば、70年代のはっぴぃえんどから日本語ロックが確立していき、80年代の歌謡曲を経て、90年代に馬渡松子の音楽があった。ただそれだけのことだと思ってます。私は次のステージに向かいますが、90年代にメジャーで作っていた曲を聴いて「表現は自由」だと感じてくれたらうれしいですね。