遺品整理の間、深夜は鈴に「僕が医者になったのは復讐が理由でした」と語る。妻と子どもの死には、自分には隠された“真実”があるのではと疑い、それを知ることを生きる糧に、前職を辞めて医師になったのだ。しかしその結果わかったのは、妻と子どもが死んだのは誰のせいでもないということ、患者を亡くすことは医者にとっても心の傷になるということだった。そしてお産の時に変な顔になってしまうのは、祝福の気持ちだけでなく、どうしても嫉妬を抱いてしまうからだと告白し、「やっぱり医者になんてならないほうがよかったかもしれない」と迷いを吐露する。

 ほどなくして遺品整理は完了したが、何もなくなった家の中で、これだけは処分できないと、一星は「お客様ボックス」を深夜に手渡す。彩子の出産予定日の次の日が結婚記念日で、彩子はサプライズで、深夜が欲しがっていたスニーカーを家族3人分のおそろいで用意していた。添えられた手紙に込められた彩子の想いを10年越しで知った深夜は、ようやく泣くことができたのだった。そして、鈴から、自分を目指して医者になったという深夜の言葉に救われたと告げられ、「私は深夜先生に出会えてよかった」と言われた深夜は、改めて産婦人科医という仕事と向き合い、成長するために新しい環境を求めてマロニエを去る。

 鈴は帰路につきながら「一星に会いたい」とメッセージを送る。すると、過去に告白された踏切の向こうに一星の姿が。そして「雪宮鈴、愛してる」と改めて伝えられた鈴もまた、気持ちを抑えきれず駆け寄り、二人は熱いキスをかわした。

 1年後、春と妻のうた(若月佑美)の間には無事に子どもが生まれ、ポラリスも経営は順調だ。深夜は青森の産婦人科に勤務しているが、ドジなのは相変わらず。伴はスーパーで働きはじめ、その脇にはランドセル姿の静空の姿が。鈴と一星は海沿いの美しい家で同棲生活を送っていた。仕事に向かうために別の方角に向かう2人はフレームアウトした直後に戻ってきて唇を重ね、物語は幕を閉じた。SNS上でも「かわいい二人だった」「素敵な終わり方」と称賛の声が多く上がった。