◆ミステリーと恋愛を見事にかけ合わせた

佐藤健が幽霊というのだから、ファンタジー要素が強いかと思いきや…回を追うごとに、直木の死の謎に迫っていくサスペンス展開に。そこに、幽霊になった人、幽霊が見える人、幽霊が見えない人という奇妙な三角関係が絡み合います。全く別モノですが、ドラマ『最愛』(2021年・TBS系/吉高由里子主演)にのめり込んだときの感覚を思い出しました。

特に秀逸だと感じたのは、幽霊の存在を信じたくなるような心情描写の数々です。

最初は当然信じられないけれど、徐々に幽霊である直木の存在を感じ、幽霊でもずっとそばにいて欲しいと願う悠依。一方、幽霊であってもそばにいたい…けれど、幽霊であるがゆえに悠依に何もしてあげられないことに苦悩する直木。自分しか知ることのできない、ふたりの深い繋がりを目の当たりにして熱くなる魚住。それぞれの気持ちがわかる描写が散りばめられており、感情移入が止まりません。第8話で、恐らく別れを悟ったであろう悠依と直木のキスシーンはせつな過ぎて…涙なくしては観られませんでした。

残すところあと1話。事件の真相と同時に、3人がどのような結末、そして未来を選択するのか見守りたいと思います。