正直、握手会人気は握手会人気でしかなく、芸能界で生き残れるか否かとは別の話なのだが、当事者・峯岸はこの現実に食らってしまった。その流れの最たるものは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の映画化だ。そもそも、作者の岩崎夏海は「この作品のヒロインのモデルは峯岸みなみ」と公言していたのに、映画化するにあたり主役に選ばれたのは前田敦子だった。
生徒側にいる宇垣美里に、峯岸は質問した。
峯岸 「宇垣さんは、『知名度があるのに、私意外とモテないな』という思いをされたことはありますか?」
宇垣 「あ~、でも、モテようと思ったことがないので」
峯岸 「……」
澤部 「モテちゃうから」
宇垣 「そうですね」
峯岸 「ちょっと、生徒って今から替えたりできますか? 共感してくれる人が少なくて」
ルッキズムやアイドルビジネスの構造について踏み込んでいる、今回の『しくじり先生』。しかし、生徒役にルッキズムをものともしないエリートを配したことで、番組そのものにメタ的な“ブスいじり”が発生しており、見ていてなんとも言えない気持ちになった。