――足立監督は、作品を観た観客たちとガチなトークセッションをしたいわけですね。
そうなんですよ。お客さんがね、この映画を観て、どう感じたのか聞きたいわけですよ。地方での先行上映は劇場パンフレットがまだできていなかったから、上映後にポスターにサインなどしてたんだけど、実際に宗教2世の人たちが観にきてくれて「正面から取り上げてくださって、ありがとうございます」と言われました。「あなたも、自分が言いたいことは言うようにしなさいよ」と返すと、「はい。でも、言うことがまとまらないんです」とね。他にも「もっと宗教2世の問題に突っ込んでほしかった」という声もありました。それには「すみません」と謝るしかありません。地方上映を3、4軒ほど回っただけでも、彼らが真剣に映画を観てくれ、オープンにしゃべってくれることが分かった。悩みを抱えている人は身近にいるんだ、山上徹也ひとりの問題にあらずと、ひしひしと感じています。
――2月のベルリンでの批評家週間映画祭にも正式出品されました。ベルリンでの反響はどのように聞いていますか?
2月21日に上映され、まだ詳しい報告は聞いていませんが、上映が終わった瞬間に「ブラボー!」という歓声があがり、客席全体じゃないけどバラバラとスタンディングオベーションになったそうです。みんなじゃなくて、バラバラだったというところがすごくいいなと思いましたね(笑)。
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