「3カ月経ったとき、奥さんのほうから『一緒に結婚してくれませんか』と言ってもらえて、それで結婚することになりました」(ハルさん)

「一緒に結婚してくれませんか」という言葉が、しみじみ深い。恋愛感情から発したプロポーズではなく、お互いの境遇を理解し合う“同志”として社会を生き抜くために結婚を申し出た……というニュアンスに聞こえたのだ。

YOU 「結婚するにあたって、ご両親に電話とかしたわけ?」

ハル 「しました」

YOU 「クソ喜んでた?」

ハル 「クソ喜んでました(笑)。『こんなに喜ぶんだ』ってくらい喜んでくれたので。尋常じゃなかった。あれぐらい喜んでくれると、友情結婚してよかったと思いました」

 息子が異性の女性と結婚し、親が大喜びをする。正直、ハルさんにとってもご両親にとっても残酷と思えた。世間体を意識し、偽りの結婚をしてまで親を安心させる。ハルさんのご両親の大喜びから、世知辛さを感じてしまったのだ。親の安心も大事だけれど、本当は一緒にいたいと思える相手と家族になれるのが何よりのはず。でも、現実はそうもいかなかった。

 オープニングでYOUは、友情結婚について「ビザの関係かしら」とボケのつもりで発言したが、友情結婚は実際に偽装結婚と近いところがある。

 結婚してよかったと思えることが、ハルさんにはいくつかある。

「休日に気軽に2人で遊びに行けるのは楽しいって思えるし、1人や男同士だと行きにくいパンケーキのお店も、奥さんとだったら行きやすいので」(ハルさん)

 お見合い結婚は一緒になってから“愛情”を育む形だが、ハルさんご夫婦の場合は結婚してからまさに“友情”を育んでいるように見える。