逆に、結婚生活を始めてから感じる不満もあった。
「お互いが恋愛感情がないので、物事をシビアに考えちゃう部分が多くて。例えば、僕のほうが収入が多いので家賃や生活費を多く出してるんですね。だからその分、『家事については奥さんのほうが多めにやりましょう』って最初は決めてたんです。ただ、僕のほうが先に帰ることもあって、そういうときは『料理してあげようかな』と思ってするんですが、『平等じゃなくない?』と考えちゃうので、たまにモヤモヤを感じることはあります(苦笑)」(ハルさん)
家事の分担や生活費の負担に関してのイザコザは、普通の結婚や同棲でもよくある話だ。損得感情が強いハルさんのようなタイプは、他人と暮らすのが向いていないとも言えるが……。
まだ、ある。
「ここ(冊子)に書く条件って『選んでもらいたい』という気持ちがあるから、盛って書いちゃうところがあるんですね。奥さんは、冊子の中に『一般的な料理なら作れます』みたいな感じで書いていたんです。ただ、実際に生活を始めて3日目ぐらいのときに、麺に粉末スープをかけただけの焼きそばが出てきたので、『あれ。これ、料理できねえんじゃねえか……?』って」
「お互い、好きな気持ちがあれば3日目でそれ(具なし焼きそば)って出てこないと思うんですよ。自分でも矛盾だなと思ってはいるんですけど、僕の中で好きな人だったら『料理を自分から作ってあげたい』『食べてほしいな』って思えるんですよ。『恋愛感情を持ってほしい』と思ってはいないんですけど、『好きな人にこれ(具なし焼きそば)は出さないよな』って思うと、ちょっとモヤモヤはしちゃうんですよね。恋愛感情は持ってほしくはないですけど、もうちょっと大事にはしてほしいみたいな」(ハルさん)
本当に奥さんがプロフィールを盛っていたかは、不明だ。具体的に言うと「一般的な料理なら作れます(でも、友情結婚の相手に本気は出さない)」かもしれないし、ハルさんにそこまで義理を感じていないだけかもしれない。「恋愛感情は持ってほしくはないけれど、もっと大事にしてほしい」というハルさんの言い分も、ちょっとわがままに聞こえる。