2023年のR-1のファイナリストは今年も8名。連続での決勝進出となるYes!アキト、寺田寛明、サツマカワRPGに加え、初の決勝となる田津原理音、永見大吾(カベポスター)、都留拓也(ラパルフェ)、きょん(コットン)、敗者復活を勝ち上がってきたこたけ正義感である(こたけも決勝初進出)。

 そんな芸人たちを審査するのは、昨年と同じく5名。陣内智則、バカリズム、小籔千豊、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、ハリウッドザコシショウだ。いずれも芸人としての面白さは折り紙付きの面々である。ただ、賞レースでは審査員も視聴者に審査されると言われて久しいなか、“物議”を醸しやすいのは陣内かもしれない。陣内も番組冒頭で、そんな炎上体質を自らネタにした。

「去年は『もうひと展開ほしい』って言いすぎてプチ炎上したんで。今年は『もうひと展開』って言わないように」

 以上のような前置きではじまった決勝のネタで個人的に印象に残ったのは、連続出場となるピン芸人たちがそれまでの自分のネタを新しいフォーマットや見せ方におさめたネタを披露していたことだ。ギャグ芸人として知られるYes!アキトは、コントの設定のなかにギャグを折り込んでいた。寺田寛明は紙のフリップではなくパワーポイント系のスライドに変えていた。いずれのネタも、前回の決勝での審査員からの指摘をふまえ、ブラッシュアップしたものに見えた。