◆ザコシの審査コメントが影響?ギャグの羅列ネタはゼロ
――ギャグを並べるネタが今年は無かったですが、去年も審査員をつとめたハリウッドザコシショウの「僕も昔ギャグの羅列(られつ)やった事あるんですけど評価に値しなくて、それを凌駕(りょうが)するような爆発力が欲しかった」というコメントを反映してなのでしょうか…?
<ハリウッドザコシショウさんが去年おっしゃった「ギャグの羅列は評価に値しない」というのは、ザコシショウさんがそう考えているというより、過去にご自身がそういう評価を受けたことからおっしゃったのではないかと推測しています。そのあとに「それを凌駕するような爆発力が欲しかった」とも言っているので、「誰もが納得する面白いギャグの羅列の3分間」を期待しているようにも感じます。
個人的には、ギャグの羅列でもなんでも、面白ければそれでいいのでは、とも思っています。
数年前、サツマカワRPGさんと話したときに、「R-1、ショートコントの羅列だと勝てないんですよねえ…」とこぼしていました。その後、2022年、2023年と、3分間一貫性を持たせたものを練り上げ、見事決勝進出を果たしました。
去年、Yes!アキトさんは、予選からギャグの羅列のネタをして、復活ステージから決勝に勝ち上がってきました。これは、予選の審査員に評価されてではなく、視聴者投票によるものです。
サツマカワさんもアキトさんも、R-1グランプリで勝つ戦略のもと、ネタを仕上げてきています。自分が最も得意としているスタイルを変えてきているのです。それでも勝ち上がる彼らの地力には驚かされますが、彼らの本来の魅力は、別の場所ではさらに輝きを増すのではないでしょうか>
――たしかにM-1グランプリからの“競技漫才”という言葉ができるくらいですし、賞レースで強いネタはまた普通の寄席やライブネタとはちがうのですね。