◆陣内&バカリズム/小籔で審査が分かれた大喜利の羅列ネタ
――今年はカベポスター永見、こたけ正義感、寺田寛明など、大喜利を並べるネタが多く、その難しさに注目が集まったように思いますが…。
<大喜利系の難しさについてですが、カベポスター永見さんの評価は審査員の中でも分かれました。
高得点を付けた小籔千豊さんは、審査コメントで「言われたあとにワッて勝手に自分で画(え)、浮かんでもうて、スピードガン言うてるヤツ、多分球団のアホの社長の娘なんやろな、とか…」と、おっしゃっていました。
この言葉が大喜利系の難しさを象徴しているのではないでしょうか。>(大輪貴史さん 以下、山カッコ内同じ)
――「へえ~わたしよりもスピードガンを信じるんだ」というくだりですね。(※スピードガンとは野球などのスポーツで使われるスピード測定器のこと)
<つまり、「想像をふくらませることができる面白さ」に高得点を付けたのだと思われます。しかし、バカリズムさんと陣内智則さんの得点は低いものになってしまいました。「観客に想像させなくてはいけない」ことをネックに考えたのではないでしょうか。
バカリズムさんはコメントのなかで、「フレーズ以外のすべてもう排除しているので、そうなって来るともう、フレーズだけ、というか、フレーズのすべてがもう、破壊力がないといけない」とおっしゃっています。
フレーズ以外のすべてを排除しているということは、演技やシチュエーションなど、状況を説明しているものがありません。つまり、バカリズムさんが言っていることは、すべてのフレーズが「誰もが想像しやすく楽しめるものになっているか」と解釈できます。
スピードガンのフレーズに出てくる女性が、人によっては「球団のアホの社長の娘」にもなるし、「野球に詳しい彼女」にもなるし、「野球を初めて見た彼女」にもなりえます。また、そのセリフを言われた方を「ピッチャー」と思う人もいれば、「一緒に野球観戦している彼氏」と思う人もいれば、「球団スカウト」と思う人もいます。
大喜利系は、「観客によって解釈にブレが出やすい」のが難しいところです>