NHKドラマ10、男女逆転『大奥』も佳境に入り、八代将軍徳川吉宗・水野祐之進編となる第8話が放送された。時代は改めて、第1話にプロローグとして登場した吉宗の世に。本ドラマの人気への着火点となり、その後も語り部として支えてきた吉宗役の冨永愛が、いよいよ先頭を歩き出した。さらには大岡越前、赤ひげ先生と、キラ星のごとき時代劇のスターキャラが登場し、日本を救うミッションをクリアしようと前へ進み始めた。
◆さらにオリジナルへ舵を切ったドラマ版
男女逆転『大奥』の魅力は、完全なるファンタジー下での設定でありながら、見事なまでに史実に沿ってみせ、「ひょっとして本当の歴史はこちらなのでは?」とよぎるほどの世界を作り上げ、現実社会の問題点を浮き彫りにしてみせることだ。
秋には第2シーズンが放送されることが発表済みの『大奥』。そこでは大政奉還までが描かれる予定だが、第1シーズンはこの吉宗の世まで。これまでも、よしながふみの傑作漫画を実写化するにあたり、より良い脚色を加えてきた森下佳子脚本だったが、第8話では、さらにはっきりとオリジナルの方向へと舵を切った。原作ではさらりと触れられただけの小石川養生所設立にフィーチャーし、さらに第1話で吉宗に町人としての命をもらった水野祐之進(中島裕翔)を呼び戻しての、日本全国をまわる赤面疱瘡への特効薬探しがスタートした。