今回物議を醸したネタ、それは準優勝した「コットン」のきょんさんがファーストステージで見せた「警視庁カツ丼課」というネタだ。犯人に合わせたカツ丼を作り自白を引き出すという内容なのだが、なぜ賛否が分かれてしまったのかというと、このネタはコンビとして披露していたネタなのだ。しかも設定だけでなく、流れやセリフ、ボケもほぼ同じ形となっており、2人でしていたネタを1人でやっているだけということで、果たしてこれはピン芸と言えるのかという部分が焦点となり、ネット上で疑問の声が上がってしまったのだ。

 コンビで披露していたネタというのはコンビで共有できる財産であり、相方の西村さんもきょんさんがピンネタとして披露することは承知しているので何も問題はなく、さらにこのネタは今大会の準決勝でも披露されており、それを見た審査員たちがピン芸として面白いと判断して決勝へ進出させていることから考えても、日本を代表するピン芸人8人の中に入るべきネタだったということで、非難されるようなネタではないのだ。

 と僕は思わない。

 実は僕は「R-1グランプリには夢がない」という発言に対して書いたコラムでも述べているのだが、この「R-1グランプリ」にピン芸人以外が参加することを良いと思っていないのだ。僕も芸人をやっていた時代に「R-1グランプリ」に挑戦したことがあるが、今思うととても失礼なことをしてしまったと思う。