◆ファイナルステージが僅差になったワケは?
――田津原の優勝の決め手はなんだったのでしょうか?
<「決め手」と言われると、正直言ってわかりかねます(笑)!
審査も3対2に分かれましたし、審査員が違う方だったらコットンきょんさんの優勝もありえたと思います。
僅差になった要因のひとつとしては、2人のジャンルが全然違うものだった、ということは挙げられるでしょう。同じジャンル同士…、例えばどちらも1人コントだったりすれば、優劣がつけやすかったかもしれません。とはいえ、同ジャンルであるはずのM-1グランプリなども最終決戦は僅差になることもありますが…>
◆サツマカワRPGのツカミ&Yes!アキトの設定が見事
――優勝者以外に印象に残ったネタはありますでしょうか。
<サツマカワRPGさんのツカミの「敗北を知る和田アキ子さん」には、完全に心を掴(つか)まれました。
本編の「ご注文は…」「ラーメン」からネタが始まった場合、ツカミが遅くなってしまいますし、ネタ単体としても、「敗北を~」の方が強いと思います。また、「ご注文は…」のネタのウケがイマイチだった場合、取り返すのが非常に難しくなります。本編の構成が高く評価されていますが、ツカミで自分の空気を作ったところが素晴らしかったです。
本編は、四コマ漫画を見ているような気分にさせられていると思いきや、終わってみれば1本の映画を見たような気分になる、不思議なネタでした。最後の回収が気持ちよく決まった爽快感がありました。>
――たしかに点数に比べて評価が高く、それには自分の空気を作ったことも大きく作用していそうです。
<Yes!アキトさんは、自身のギャグをうまくコントに取り入れてました。
ギャガーは若手のうちはみなさん苦労しています。通常のライブでは、他の漫才師やコント師と同じ持ち時間を与えられます。そこでギャガーは、今回のアキトさんのようにコント形式でギャグをやってみたり、持ちギャグをクイズ形式にしてみたり…、ということをするのですが、せっかくのギャグの魅力が損なわれてしまうケースも多々あります。
(そもそも、ギャガーは漫才師と持ち時間が同じじゃなくても、と思うところはあります。漫画雑誌でも、四コマ漫画はページ数が少ないですし)
そんななか、「プロポーズで緊張して言葉がうまく出ない」という設定は、お見事でした。「緊張しているからわけのわからないことを言っても仕方がない」「うまく言えていないので連発できる」『け、け、け…』と、ギャグの最初の一文字が前フリになる」などなど、いいことずくめの設定でした。>