お次も文春から。

 特殊詐欺だけではなく、全国で強盗を繰り返す犯人たちをフィリピンから遠隔操作していた「ルフィ」なる首謀者たちは逮捕されたが、あまりにも警察の捜査は遅すぎたのではないかと、文春は批判している。

 ルフィグループ4人の特殊詐欺については、2019年に警視庁が逮捕状を取っていたそうだ。2021年までに、彼らはフィリピンの入管に拘束され、警視庁は警察庁を通じて身柄の引き渡しを求めていたが、フィリピン側は国内の事件に関与したという理由で、要請に応じなかった。

 その後、ルフィたちは強盗にまで手を広げて、ついには殺人事件まで起こしてしまったのだ。

「日本の警察が本腰を入れて外交交渉をすれば、もっと早期に身柄の移送を実現できたのではないか」(警察OB)

 この事件が明るみに出てからも、強盗事件は後を絶たない。それは、今の警察が舐められているからではないか。

 1日も早く事件の全容を解明し、類似犯を出さないことが求められている。警察はその期待に応えられるのだろうか?

 ところで、「たけし事件」といってすぐにピンとくる人はどれぐらいいるだろう。

 当時、ビートたけしの愛人だった女子大生に記者がやや強引な取材をしたことで、たけしが激怒。1986年12月9日未明、たけしとその軍団12人が講談社フライデー編集部を襲って、消火器などを振り回し、部員5人に肋骨を折るなどのケガをさせた傷害事件である。

 非はたけしたちにある。だが、なぜか世論はたけしに同情的だった。その上、講談社側がこの事件を「言論の自由を封殺するものだ」といったため、大手メディアや世論から、「プライバシー侵害をやっている写真週刊誌によくそんなことがいえる」という批判が巻き起こったのである。