今週は現代とポストが合併号でお休み。

 漫画家の松本零士が亡くなった。享年85。喪主は妻で漫画家の牧美也子。「銀河鉄道999(スリーナイン)」「宇宙戦艦ヤマト」「宇宙海賊キャプテンハーロック」などのSF作品で知られた。

「福岡県久留米市出身。高校生でデビューし、71年、極貧青年をコミカルに描いた「男おいどん」で人気漫画家となった。74~75年放送のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の企画に参加、監督を務め漫画版も発表した。本放送の視聴率は振るわなかったが、再放送から人気に火がつき、77年の映画版が大ヒットした」(朝日新聞DIGITAL2月21日 5時00分)

 私は松本零士というと「男おいどん」のサルマタケしか知らない。

「『男おいどん』に登場するキノコ。大山昇太の押し入れに繁茂する不気味なキノコ。押し入れに詰め込まれたパンツが作り出した高温多湿な環境により出現した。長雨などで水分を吸収すると数倍に大成長を遂げる。困窮時には大山の貴重な栄養源となる。ゆえに大山はサルマタケの栽培法や栄養分析の物理学的解説、料理法48コースなど研究に余念が無い。 それなりに美味らしく、生息地を知る前には下宿館の人間たちが、男女問わず一度は食している。その勢いは留まることを知らず、部屋から庭へ拡大し、隣の下宿まで脅かすまでになっている」(マンガペディア)

 松本零士と40年近く苦楽を共にした東映アニメーション元常務取締役&現顧問の清水慎治が、大ヒット作『銀河鉄道999』の思い出をこう語る。

「先生はメーテルのモデルについて、毎回、違う説明をするんですよ。映画『わが青春のマリアンヌ』のヒロイン、マリアンヌ・ホルトだったり、女優は八千草薫さんだったり、愛媛の疎開先で見た写真の女性だとも。晩年は“自分のDNAが描かせている”って話すようになりましたね」

 私は、八千草に違いないと思っているのだが。

 その999のアンドロメダ篇の最後にメーテルがこういうそうだ。

「私は……あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影……」

 少年の日の幻影か? もう、どんな幻影を抱いていたのかも忘れてしまったな。