さて、その大会よりも上位に位置づける理由は一体何が考えられるだろう……難しい。それは、まだこの大会の価値を体現している芸人が、他の大会と比べたときに抜きん出ていないからだ。「THE SECOND」はまだ放送されていないので何とも言えないが、「M-1グランプリ」や「キングオブコント」と並んだときに「R-1グランプリ」や「THE W」を機にテレビで活躍している芸人が圧倒的に少ない。そうなると他の大会より上位に位置づけるのは難しくなる。「M-1グランプリ」のように鳴り物入りでスタートしたわけでもなく、「THE SECOND」のように出演者に人気芸人が多いわけでもない。ただピン芸人が出られる大きな大会という認識で止まっている「R-1グランプリ」には、まだ本当の意味での価値がないのかもしれない。
しかし、それもこれも全てが「芸人」の責任だ。今までのマイナスなところを勉強し、そうならないように心がけ、この大会をきっかけとし継続的にテレビに出られるようなピン芸人が増えれば、「R-1グランプリ」に対してもっと「夢、希望、大会の価値」が見いだされることは間違いない。
ここからは僕の独り言だが、大会自体も「ネタの面白さ」ではなく「芸人の面白さ」に焦点を当てた方が良い。ネタで知名度を上げられる「バカリズム」さんのような天才芸人はそうそう出てくるものではないからだ。さらに僕の偏見で意見を言わせていただくが、ピンで参加したコンビ芸人をファイナリストにするよりも、ピン芸に命を懸けた生粋のピン芸人をファイナリストにする方が、ひとり芸ナンバーワンを決める大会である「R-1グランプリ」の真の姿なのではないだろうか。細分化された大会が乱立する現代なのだから、そのくらい厳しく区別した方が芸人もやりやすいし。お客さんも見やすいはずだ。
少し厳しい意見を述べてしまったが、来る3月4日19時よりカンテレ、フジテレビ系で「R-グランプリ2023」の決勝戦が生放送される。果たして、この大会の価値を上げる芸人が現れるのか。今から楽しみである。