つまりM-1グランプリと比較したときに、明らかにR-1グランプリの方が効率が悪く、同じように努力しても報われる確率が少ないので、M-1グランプリに比べて夢がなく感じてしまうのだろう。

 では、ウエストランドさんのネタにもある「夢、希望、大会の価値」がM-1ブランプリにあってR-1グランプリにはないのかを元芸人として分析していく。

 まず「夢」から始めよう。夢とは芸人としての知名度が上がり、メディア露出が増えて、我々一般人より遥かに高い収入を得るという、わかりやすい「芸人ドリーム」を指すのだと思うが、R-1グランプリで優勝した芸人が「芸人ドリーム」を掴んでいないかというとそうでもない。「ハリウッドザコシショウ」さんや「ゆりやんレトリィバァ」さん、「じゅんいちダビットソン」さんなどは優勝する前より明らかに知名度も上がり、収入も上がっているはずだし、ほかの優勝者たちも出場する前よりは確実に知名度も収入も変わっているはずだ。

 ではなぜ夢がないように思えるのか。それはある一定の期間、集中的にメディアを使い稼いでいるからだ。視聴者からするとメディアに出ているときが売れているとき、イコール稼いでいるときという印象だと思うが、芸人の稼ぎ方はメディアだけではない。