それと同時進行で視聴者を楽しませてきたのは、「鬼の正体当てクイズ」。色違いの鬼仮面をかぶった俳優たちは誰なのか。口元や仕草を見てネット上で予想する声が相次ぎ、序盤から中盤にかけての盛り上がりにつながっていた。
しかし、制作サイドは「第5話で早くもすべての正体を明かす」ことを決断。ところが「菊池風磨とベッキー以外は名前と顔が一致しない」という人も多く、「名前を伏せるほどではなかった」という声もあがるなど、正念場を迎えそうなムードが漂い始めた。
あえてコントに見える作り方を採用
ただ、結果として盛り下がることはなかった。その理由は、制作サイドが「鬼の正体当てクイズ」に変わる「スパイの正体当てクイズ」を用意していたから。「実は警察内部や人質の中にも鬼がいて、それは誰なのか」というクイズを視聴者に投げかけて興味関心をつなげている。
ここまでの物語を冷静に振り返ると、主人公刑事のトラウマ、テロリストの目的は復讐、意図的に選ばれた人質、テロリストが交渉役に主人公を指名、生配信を使った公開型の犯罪、テロリスト同士の仲間割れ、時限爆弾につけた色違いのコードを切って解除など、クライムサスペンスの“ド定番”を集めたことに気づかされる。意外性のある展開はほとんどなく、視聴者が「こうなるのでは」と思っているほうに物語が動いてきたことがわかるだろう。
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