◆鈴木亮平、宮沢氷魚の印象は
――そして主演の鈴木亮平さん、宮沢氷魚さん、おふたりのナチュラルな表現力も見事でしたね。
阿川:鈴木さんには以前、朝ドラに出演された少しあとに、彼の映画の宣伝でわたしがインタビューをしたことがあるのですが、その時も思ったけど、今回の映画でお会いした時もストイックな方でした。ワンシーンごとに監督やスタッフときめ細かく相談していらしたぐらい。わたしとは最初は電話だけのシーンでしたが、「阿川さん、よかったですよ」と。「そんなフォローまでしてくださるのか、もう泣いちゃう」と思いました(笑)。
宮沢さんとは撮影に入る前にエチュード(即興劇)をしまして、それが何なのかわたしには分からない状態でしたが、とても助けていただきました。かわいくてきれいで、素直で感じがいいわで、ラファエロが描く天使みたいな人なんです。
――本作はタイトルについて考える作品だとも思いますが、阿川さんご自身ではどう受け止めていますか?
阿川:この映画のいうエゴイスト、最初は何をもってそうなのだろうと悩みました。出てくる人、みんなそんなにわがままなのだろうかと。撮りながらもずっと考えていました。ただそれは、映画を観た方それぞれが、今の自分の人生や思いと重ねながら、答えを探ってくださることが一番いいと思うんです。出た人間の解釈に合わせるより、映画を観た方それぞれが決めることのように思います。