ルーカス、スピルバーグへの憧れ

 8ミリ時代の青春を描いた小中和哉監督は、有森也実主演のファンタジー映画『星空のむこうの国』(86)で商業デビューを飾り、平成ウルトラマン第2弾となった『ウルトラマンダイナ』(TBS系)のメイン監督を務めた。近年は千葉雄大、伊藤沙莉共演ドラマ『いいね!光源氏くん』(NHK総合)の演出を務めるなど、ファンタジー&SFドラマのベテラン監督だ。

 自身の青春時代を振り返った自伝的映画を撮った経緯について、小中監督はこう語った。

小中「子どもの頃から怪獣映画や『ウルトラマン』が大好きだったわけですが、『スター・ウォーズ』には驚きました。次元が異なるものが来たな、と感じましたね。映画のイメージがガラリと変わった。今回の主人公たちが撮る自主映画は、僕が高校時代に撮った作品ほぼそのままの内容で、その頃の体験も含めて映画化しています。自分にとって、8ミリ映画は原点でした。8ミリ時代を描いた作品はずっと撮りたいと考えていた、夢の企画でした。コロナ禍で外出できなくなった際、仕事の空いた時間を使ってシナリオを書き上げたんです。自主映画についての物語を、親しいスタッフに声を掛けて自主映画に近い形で撮り上げています」

 ジョージ・ルーカス監督と共に、スティーヴン・スピルバーグ監督からも、小中監督は大きな刺激を受けてきたという。