◆“電車道の大勝利”を決める年に
2023年2月時点、すでに2作の注目作品で、山田裕貴の本領発揮を力強く確かめることができる。ここまで安定した演技力でコンスタントに出演を続けてきた地道な才能は、ほんとうに貴重だと思う。山田のポテンシャルは、まるで底なしだ。
それだけに、GP帯連ドラに初主演だったという事実が意外だったのだ。『ペンディングトレイン』は、2023年4月期春ドラマの最注目作として、ここに山田裕貴のすべてが注入される。発表によれば、電車内から荒廃した未来世界へ繋がるストーリーというから、『電車男』(2005年)の脚本家である金子ありさが自然と山田を後押しするだろう。
山田は、現在32歳。『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日系、2011年)での俳優デビューから11年以上が経過した。その間、可能性を秘め続け、常に王手をかけてきた山田裕貴が、いよいよ決め技あり。まさに“電車道の大勝利”を決める年になりそうだ。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu