淳と自分のグラスを入れ替えてしまう狩野。これで塩水は狩野のもとに。淳を見破ったつもりで、自ら墓穴を掘った狩野だった。

 にしても、狩野の立ち回りがさすがだ。ゲームの表面的なルールのさらに底にある、出演者で協力してテレビの企画を“成立”させるというルール。その上での見事な盛り上げ。淳が騙す人になって狩野をコントロールしているというより、狩野が騙される人になって淳をコントロールしているようにすら見える動きは見応えがあった。

 よくよく振り返ってみると、「そこを狙ってたんですよ!」なんて決めゼリフも含め、ほかの芸人がやると嘘くさくなるような動きだ。けれど狩野の場合、その嘘くささがむしろ愛嬌としての面白になってしまう。それがどこまで計算されたものなのかはわからない。というか、わからないほうがいい。曖昧なままがいい。アレはそう、彼特有の“野生の勘”である。