「推しの殺人鬼」目当てのリピーター、爆誕
──不気味な内装だけでなく、謎解きを含むストーリーがオバケンの特徴ですが、これらも吉澤さんたちが考えているんですか?
吉澤:はい、全部自分で作っていますね。制作費が少ないPVって、ひとりで全部担うことが普通なんですよ。そこが生かせたかな。キービジュアルの制作やBGM、照明の当て方なんかも、全部自前です。
「咽び家」は第1章から第4章までありますが、シナリオも全部僕が考えています。第3、4章はR15指定です。怖さも謎解きの難易度もどんどん上がっているんですよ。
──第1章でおなかいっぱいです……! 今回、私たちはクリアできなかったんですが、一発クリアする方は多いんですか?
吉澤:いや、一発クリアのほうが少ないですよ。
──リピーターの方も多いのでしょうか。
吉澤:いちばん多く来ていただいている方で、200回以上という猛者の方がいます。
──えっ、200回。「咽び家」だけでですか?
吉澤:はい。もうとっくに全章クリアしているんですが、何度も来てくれているんですよ。もはや、殺人鬼に会いに来る感覚らしいです。推しの殺人鬼がいるらしくて。「今回はこの人だったー!」みたいな。
──推しの殺人鬼……パワーワードすぎる……。
吉澤:あとは、初対面同士仲良くなって、みんなで同じ回の予約をしてリベンジに来られたケースもあります。
──それ、いいですね……! 今回、私は全員と初対面だったわけですが、急速に距離が縮まったなと実感しています。最後は記念写真を撮ってAirDrop(エアドロップ)で共有してもらいました。
吉澤:そういう、初めて会った他人と仲良くなれるのがいいなと思っているんですよ。
──中の様子って、確認できるようになっているんですか?
吉澤:コントロールルームでは安全管理のために中の様子を確認しています。同じ章でも、グループによって全然様子が異なるのがおもしろいですね。
──何か具体的なエピソード、教えてほしいです。
吉澤:例えば、ラブラブカップルの方で、彼氏が「守ってやるからな!」みたいなことを言っていたのに、いざ始まったら彼氏が一切動けなくなってしまった。そんな彼氏を尻目に、彼女がガンガンアイテムを取ってきて謎解きを進めていった、とか。
──彼女のほうが実は恐怖耐性があるの、確かにあり得そうです。
吉澤:同じくカップルの参加者で、彼氏が彼女をおいて先に逃げちゃう、とか。
──待って待って、それ、体験後に別れの危機にならなかったんでしょうか……?
吉澤:どうでしょう。究極の状況のときって、本性が出ますからね(笑)。オバケンは、そんな究極の状況下で協力してミッションをクリアするのが趣旨です。そこに目を付けてくれたのか、社員研修で利用されることもあるんですよ。
──意外な用途……!いや、でもリーダーシップを誰がどのように取るのかとか、めっちゃ個性出そうですね。でも、私が社員ならそんな怖い研修、絶対に参加したくないです。
吉澤:でも、女性の方がファンになる率としては高いんですよ。先ほどの200回リピーターも女性です。
──なぜ女性率が高いんでしょう。
吉澤:ストレス発散になるのかなぁ。あと、いわゆる従来型のお化け屋敷よりも、心臓にかかる負担が少ないんじゃないかと思っているんですよ。それもあるのかな。
──どういうことでしょう。
吉澤:ふつうのお化け屋敷だと、自分が進んで行って、潜んでいるお化けが出てきてびっくりする、という怖さじゃないですか。一方、オバケンでは隠れているのは自分。見つからないように……という怖さって、どこから出てくるのかわからないときに感じる怖さとは種類が違うので。
──ああ。確かに、私はお化け屋敷で進まなきゃいけないのに進めなくなる人なんですよね。「絶対あそこから出てくるでしょ!?」と思っちゃうと、足がすくんじゃうんですが、その怖さと今日の怖さは確かに違いますね。
今回は、参加者の捕まり方もリアルすぎて怖かったんですよ。迫真の演技過ぎて、キャストで捕まる役の人が別にいたのかと思ったくらいで。
吉澤:オバケンは参加型なんですよ。不動産の内見予約をするところから始まっていて、当日待ち合わせ場所に不動産屋が本当に迎えにやってきて、古民家に向かう……。せっかくなので、その世界観にどっぷり入り込んでほしいですね。
──捕まった彼、完全に入り込んでいました。私は押し入れの中で震えているだけでしたが……。
方南町をエンターテイメント溢れる町に
──「咽び家」は、第4章で完全に完結ですか?
吉澤:はい、完結です。
──今後、また何かお化け屋敷を作られる予定はあるんでしょうか。
吉澤:商店街内に、精肉屋さんを作っています。
──精肉屋さんですか。
吉澤:精肉屋で事件が起きて、0課(架空の警視庁殺人課)に捜査に行ってもらう……というものを準備中なんです。
──精肉屋って、ホラー映画あるある……また絶対怖いやつ……。
吉澤:何も知らない人が見たら、本当に精肉屋にしか見えない外観にします。0課はシリーズ化させたいですね。商店街を含め、方南町全体がエンターテイメントの街になったらいいなと思っています。
体験前は不安感が強すぎて胃が痛くなるほどでしたが、終わったあとの解放感は格別。吉澤さんの言う「ストレス解消」が、わかった気がしました。
斬新な発想による新感覚のお化け屋敷。休日、方南町のとある古民家で繰り広げられる事件の謎を解きに、参加してみませんか……?仕事のストレス発散に、新しい企画のインスピレーションになるかもしれない恐怖体験です。
オバケン「畏怖咽び家」
所在地:方南町のとある古民家(住所非公開)
営業時間:平日 14:00~21:00 土日祝11:00~21:00
集合場所:東京メトロ丸の内線方南町駅1番出口
TEL:03-6454-6786
当日券予約専用ダイヤル:080-3440-2429
提供・UpU
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