第2シーズンの制作が発表され、さらに人気に拍車のかかるNHKドラマ男女逆転『大奥』。第7話では五代将軍徳川綱吉(仲里依紗)×右衛門佐(山本耕史)編が完結した。「私に恋をしているか?」と問い続けた綱吉は、己こそが思いを注ぎたい人だった。
◆煌びやかな着物に違和感、派手であるほど滑稽で哀しい
徳子(綱吉)は幼き頃より学問が好きだった。しかし父の桂昌院(竜雷太)は「女に大事なのは器量と愛嬌」と説く。そして「いつか上様になったら、大奥中の男に恋をさせんとあかんで」と。この時点の徳子は舘林藩主だったが、家綱の早い死によって、やがて将軍の座が現実のものとなる。
煌びやかな着物に打掛、簪を常に身に着けている綱吉。第5話の初登場時、その堂々たる姿は、ため息ものだった。上品に輝くべっ甲はもとより、キラキラと短冊が煌めき揺れるビラ簪も美しかったが、次第にそこに違和感が生まれていく。第6話の、亡き松姫と対面した場面などは顕著で、短冊形のビラが二段に連なり、殊更大きく揺れる様が異様なほどだった。しっかりと丁寧に時を積み重ねていくメイクに対し、衣装が豪華で派手派手しくあればあるほど、次第に滑稽に、そして哀しみが浮かんでいく。