――当時工藤さんはまだ11歳とかぐらいだと思うんですけど、もうその頃から「ちょっとこの人は違うな」みたいな感覚があった?
そうですね。聞いたことのない音楽を聞いた衝撃みたいのがあって。J-POPも好きですし、USのR&Bとかも好きなんですけど、どっちも持ってる感じのアーティストがまだその時あんまりいなかったので。宇多田さんがその走りだと思ってます。
――その頃から洋楽のR&Bも聞いてたわけですか?
ちょこちょこ聞いてましたね。一番ピークで聴いてたのは高校生の頃だったんですけど。自分は、EXILEさんとかCHEMISTRYさんとか、久保田利伸さんとかもそうなんですけど、日本でブラックミュージックをかっこいいと思ってやり始めた人たちが売れ始めた時の世代で。宇多田さんがデビューした当時はまだ小6か中1でしたけど、まだ15歳くらいの女の子がボーンと出てきて、編曲してる人がジャネット(・ジャクソン)とかもやってる人で、日本語の歌詞は歌詞でまた内容も素晴らしいしっていうので、「すごい人が出てきたな」っていう印象でしたね。
――ベタな質問ではあるんですが、宇多田さんの楽曲で「この1曲」となると何になりますか?
それで言うと……「Addicted To You」はすごい好きです。2バージョンありますけど、いわゆるオモテ面の、UP-IN-HEAVEN MIXのほうが好きですね。『First Love』が何百万枚って売れて、シングルの「First Love」もすごい人気で、いわゆる日本人受けしそうなバラードでしたけど、その次のシングルであの曲調を切ってくるっていうことがちょっと衝撃でしたし、個人的に、バラードとかよりミッドとかアップテンポの曲のほうが好きだったので。あれだけ売れても全然スタンスを変えずに、ああいう曲調のものを出してくれるんだって感動して。めちゃくちゃ聴きましたね。