ファンに明かされているエピソードだけではないだろう。秋元は、キャプテンになるずっと以前からメンバーを陰で支えてきたはずだ。そこにあるのは誰よりも乃木坂46を愛しているという事実。キャプテンの使命であること以上に、グループを愛しているからこそ、これからのグループを作っていくメンバーには健やかに成長していってほしいという思いがあるのだろう。秋元にとっては当たり前の、なにげない言葉だったかもしれない。だが、後輩メンバーにはしっかりと秋元の言葉は届いている。

 秋元が最後のステージとして選んだのは横浜アリーナ。これまで松村沙友理や生田絵梨花の卒業コンサートが行われるなど、同期たちが最後の華を咲かせた場所でもある。きっと我々ファンへの愛情に溢れた素晴らしいステージになるはずだ。そして秋元が乃木坂46に残してきた愛情は、これから新たなフェーズへと進む乃木坂46の指針となってくれるだろう。

 先日発表された新体制での32ndシングルでは、山下美月と久保史緒里がセンターを務め、5期生からも5人が初選抜入りしている。「乃木坂46」はまだまだ上り坂だ。