『男たちの大和』や『レクイエム・太平洋戦争』、『戦場から届いた遺書』など、戦争の中で生きた者たちの物語を多く書き上げ、その作風が当時の緊張感・恐怖感などに強い説得力をもたらしたノンフィクション作家・辺見じゅん。彼女が1989年に発表した『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』を原作とした映画『ラーゲリより愛を込めて』が12月9日から公開される。

 誰もが生きていることの実感を失い、人生を諦め、生命の炎すらも消えつつある……。そんな絶望の状況下でさえ、誰よりも生きたい、離れ離れになった家族と再会したいと願い続けた男・山本幡男を、二宮和也が演じる。

 山本に救われ、心動かされた者たちが、遺された時間の中で山本のためにできることは何かと立ち上がる。その姿は、涙なしでは観ることのできず、本作が“涙腺崩壊”映画であることは間違いない。