西村「最終的には陰とか陽とかじゃなくしたいんですよ。この陰陽の戦いを止めにいきたい」
若林「終わらすんだね、西村が」
西村「俺がこの陰と陽の戦いを終わらす」
――と、西村の主張をパラフレーズしてきたけれど、このような立ち回り、面白いなと思う。“陰”と“陽”の対立という芸人界の地勢図を描き、自身を劣勢の“陽”の側に位置づける。そして、自身の孤軍奮闘ぶりを面白として見せる。もちろん若林などのフォローもありながらだけれど、自分で書いた自分の取扱説明書を自分で説明している感じ。その可笑しみ。“陰”と”陽”にこだわる姿がもはや“陰”の雰囲気を醸し出してしまったりとか。もちろん、実際このあとコットンが賞レースなどで優勝したりすれば、その説明書の筋書きどおりMC芸人になるかもしれないし。
私はそんな西村のテレビでの言動をとても楽しみにしているし、彼が今後どこにたどり着くのかも興味深く見ている。ただ、いまのところオードリーの若林がいる番組ぐらいでしか、今回のような立ち回りが見られないのが残念だ。いや、西村本人はこの立ち回りをテレビで積極的に見せていきたいのだろうか。もしかしたら、出しどころを戦略的に探っているのではないか。仮にそうだとしたらそれは“陽”なのか、それとも“陰”なのか――と、勘ぐってしまうのはあまりに“陰”かもしれない。