4『白の闇』(河出書房新社)

 

『白の闇』は、2010年に87歳で他界したポルトガルの作家ジョゼ・サラマーゴが1995年に発表した小説です。2008年にはフェルナンド・メイレレス監督によるパニック映画『ブラインドネス』として映画化もされています。物語は人々を失明させる未知の感染症がテーマです。感染は拡大するものの原因や対処法がわからず市民はパニックへと陥ります。

感染爆発が病気によって市民を死に至らしめるだけではなく、社会秩序の崩壊をももたらすのです。そうした世界で、物語の中心人物たちは連帯して生き延びるすべを模索します。俳優の伊勢谷友介と女優の木村佳乃も出演している映画版『ブラインドネス』では、崩壊した都市と人間関係のあつれきや後手後手の政府の対応などが映像として克明に描写され、あわせて鑑賞するとより理解が深まるでしょう。

【基本情報】
著者:ジョゼ・サラマーゴ
出版:河出書房新社
価格:文庫本1,430円(税込み)/電子書籍1,287円(税込み)

小説の想像力をヒントにしよう!

“事実は小説よりも奇なり”ということわざがあります。現実の出来事はフィクションよりも不思議だというイギリスの詩人バイロンの『ドン・ジュアン』の一説から生まれた言葉です。実際に、コロナ禍は想像もつかないような予想外の事態です。しかし同時に、感染症に対する人間の対応の仕方やパニック状態での人間関係のあり方をはじめとして、小説が見事に“予言”している部分もあるでしょう。

小説の内容を参考にすれば、アフターコロナを生きるうえでのヒントが見つかるかもしれませんね。

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