ドラマは今後、女性のキャラクターも充実していきそうです。第6回で活躍した、退廃的な雰囲気の女大鼠(松本まりかさん)は個人的に好きなキャラになりそう。そして次回からは歩き巫女の千代(古川琴音さん)というキャラも新登場するようですね。これは武田信玄に仕えた伝説の女忍者といわれる望月千代女(もちづき・ちよめ)をモデルとした人物なのでしょうか。
歩き巫女とは、お祓いや歌や踊りなどをして日銭を稼ぎつつ、全国を回っていたフリーランスの巫女なのですが、それは昼の顔で、夜は遊女稼業にいそしむなど、素性のはっきりしない、グレーな存在でした。その正体が女忍者=くのいちであったところでおかしくはありません。望月千代女は、そうした歩き巫女のグレーな特性を生かし、部下の女忍者たちを歩き巫女として全国に派遣し、信玄の隠密として使っていたそうです。ドラマに出てくる千代は髪型からして遊女っぽく、とても巫女には見えません。『どうする家康』は、本当に昭和の時代劇みたいに、セクシーくのいちが大活躍する内容になるのかもしれませんね。
女性キャラといえば、回を重ねるごとにアクとクセが強くなっていく於大の方ですね。松嶋菜々子さんが演じていなければ、笑顔で厚かましいことをいう関西あたりのおばちゃんにしか見えないであろう於大の方の強引さには少々閉口してしまいました。ただ、於大の方の強い要望で上ノ郷城攻めをすることになった彼女の今の夫・久松俊勝(リリー・フランキーさん)はほとんど活躍しませんでしたが、史書の類いでも彼が武功をあげたという記述は見当たりません。にもかかわらず、史実の俊勝は家康から上ノ郷城を与えられており、ドラマのように於大の方に懇願され、家康が実母の願いを叶えた……という可能性も十分にありえる話だと思われます。