――「First Love」から「初恋」までの20年というのが、ドラマでも肝ですよね。

ミラクル:そして「First Love」と「初恋」の違いって何なんだろう? ってところですね。“昔と今では初恋の意味が違う”っていうは、ドラマそのもので。

 たしかに、宇多田さんの曲で、声が変わったと言われたのが「あなた」(2018年)あたりでした。そこからまた、楽曲の“色”が変わったと思います。そのあたりからちょっと神妙になっていったというか。

 私はどちらかというと、デビュー当初のようなR&Bっぽい感じでずっと行ってほしかったタイプで、売れ線でも全然オッケーだし、「Automatic」(1999年)の色味を生かした感じでR&B路線を突っ走って欲しいと願っている人も多かったと思うんです。だけど「あなた」から急に人生観が出てきた。宇多田さんのIQの高い感じが出て、それまでのファンからするとちょっと怖いところもあったんですね(笑)。でも、その色味が日に日に強くなっていって、売れ線の曲も作ってるけど20年の間に、特に後半にそういう変化があったと思います。