僕も実際に動画を見たのだが、猿の足を叩いたり、こめかみ部分を両手で押さえつけグリグリしたりという“過剰なしつけ”が50秒間にわたり映し出されていた。この動画を見た人達から「可哀相」とか「虐待」などの声が寄せられ、問題となったのだ。

 ここからは僕の個人的な感想なので、あまり気に留めないでほしいのだが、動画に映し出された姿は確かに「可哀相」であり、見ていて不快な気持ちになったが、猿まわしの“しつけ”のイメージとそうかけ離れたものではなかった。

 最近ではあまり見かけないが、僕が子供の頃は「猿まわし」や「日光さる軍団」を特集した番組は非常に多く、かなりの頻度で放送されていた。その際に猿をしつけるシーンが流れていたのだが、今回問題となっている『過剰なしつけ』とそこまで違いがあったようには思えない。子供の頃の僕は、そのしつけのシーンを見て「お猿さんがかわいそう」という感想だったからだ。

 今もしているかはわからないが、当時印象に残っているのは、芸人と猿のどちらが主人なのかわからせる為に、嫌がる猿をうつぶせに抑えつけて背中に噛みつくシーン。猿は元々攻撃的で、芸人が下に見られるとまったく言うことを聞かなくなるので、徹底的にどちらが上かわからせなければいけないというような趣旨の話をしていた記憶がある。