痛みを伴う笑い、身体を張った罰ゲームやタレントの容姿いじりなどへのコンプライアンスの強化、傷つけない笑い、長寿バラエティ番組の終了など、現在お笑い業界は急速にその形を変えつつある。

 今までは可能であった笑いが不可能になったり、特定のお笑いの手法が差別を助長するものになったりと、細かいものまで数え上げたらきりがないほど、芸人を取り巻く環境は目まぐるしく変化している。この“お笑い業界の変化”に関しては僕のコラムでもよく書かせてもらっているのだが、変化しているのはお笑い業界だけに限った事ではなかった。

 一体どの業界なのかというと「猿まわし」業界だ。とある猿まわし芸人の動画がSNSで拡散されて話題になったのが、事の発端だ。どのような動画が拡散されたのかというと、栃木県日光市の「おさるランド」というテーマパークを拠点に活動している「日光さる軍団」に所属している女性猿まわし芸人さんが、さいたま市で行われた公演の合間に猿に対して芸を教えている姿なのだが、問題はそのトレーニングの仕方。