同様の事態は今回の債務上限引き上げでも発生する可能性が高い。最終的には米国債のデフォルトが回避されるとしても、米国の財政資金が枯渇するデッドラインが迫れば、それを引き金に、世界の市場が混乱に陥る可能性があるのだ。
一部では、6月15日に米国の連邦税収が予定されることで、デッドラインは秋口まで引き延ばせるとの見方もあるようだが、現時点では米財務省のイエレン長官は6月中旬がデッドラインになるとの見方を変えておらず、今後、米国債のデフォルト危機に対する警戒感は一層高まるものと思われる。
国内で植田和男氏が日本銀行の新総裁に就任予定となったことで、今後の日銀の金融政策に注目が集まっているが、世界の市場に与えるマグニチュードでは米国債のデフォルト危機の方がはるかに大きい。今後の米国議会の動向を注視していく必要がある。