アルゼンチン連邦警察による今回の家宅捜索は、ブエノスアイレスの高級ホテルが立ち並ぶプエルト・マデロ地区でも行われ、多数のパソコンや巨額の現金が押収された。

 また警察当局は、こうしたロシア人の流れに紛れてロシアのスパイがアルゼンチン国内に潜入している可能性があるとみており、安全保障上の観点からも重大な事件に発展しそうだ。

 アルゼンチンの隣国ウルグアイでは昨年9月、元警察官で現役の大統領警備の責任者がロシア絡みの偽パスポート製造に関与していたとして訴追された。ロシア人の南米への移動の流れには、犯罪と陰謀の影が付きまとう。