子供を生んでアルゼンチンに留まるというだけでなく、アルゼンチンのパスポートを入手して世界最大の経済大国の米国に行くことを企てるロシア人が、こぞってアルゼンチンに向かうようになった。

 出産のためのパッケージツアーを企画する企業も以前から存在している。ツアー料金は「エコノミークラス」で5000ドル(約66万円)から、「ファーストクラス」で1万5000ドル(約199万円)からというのが、だいたいの相場だというが、儲けの多いこの業界にロシアの犯罪組織が入り込んでいるという。入国のための偽の書類を用意し、滞在先や出産場所を違法に手配し、高額の料金(3万5000ドル=約465万円)を徴収する。

 これだけの金額を簡単に用意できるロシア人は少なく、国を捨てるために借金まみれになるロシア人が多数生まれていると考えられている。