ある日、ヘクターの家にマーゴ、イディス、アグネスの三姉妹がクッキーを売るために出入りしているのを見たグルーは三姉妹を利用することを思いつく。養護施設から三姉妹を引き取ったグルーは、ネファリオ博士につくらせたクッキー型ロボットを使い、三姉妹のクッキーに忍ばせてヘクターの屋敷に潜入。無事光線銃を奪うことに成功。ところが悪党銀行は「もっと若い才能に融資することにした」といって、グルーへの融資を止めにしてしまう。銀行ってこういうことするんですよね。

 最初は三姉妹を盗みのために利用するだけだったグルーはなつかれてしまい、彼女らの親代わりの生活を受け入れるように。そして三姉妹に発破をかけられたグルーは、自力で宇宙まで行くロケットを製造した! (初めからそうすればよかったんじゃ……)あとは月を盗むだけだが、三姉妹との共同生活に馴染んでしまっていたグルーはやる気を失いつつあった。情けない! お前は悪党だ、子供たちの親代わりなんかしている場合じゃないぞ、目を覚ませ! と、ネファリオは三姉妹を無理やり養護施設へ送り返してしまう。

 いよいよ月を盗む決行日だが、その日は三姉妹がバレエの発表会をする日。グルーは大急ぎで月を盗み、とんぼ返りで発表会の会場へすっ飛んでいくのだが……。

『怪盗グルーの月泥棒』は、ディズニーの実写映画『クール・ランニング』『天使にラブ・ソングを2』のエグゼクティブ・プロデューサーだったクリス・メレダンドリが創設した、イルミネーション・エンターテイメント(現イルミネーション)の長編第一作。監督のピエール・コフィンとクリス・ルノーは、ディズニーでアニメをつくっていたスタッフだ。