それは……月だ! 斯くしてグルーは月を盗む計画を立てる。

 そのためには資金がいるということで、悪党専門の金貸しをしている悪党銀行に融資の申し込みに行く。地獄の沙汰も金次第とはこのことか。悪役の知られざる金事情について語られている珍しい作品です。

 悪党銀行の経営者パーキンスは、グルーの無計画さに呆れてしまう。そんなことで銀行は金を貸せない、融資をしてほしければきちんとした計画を立てろと。パーキンスは巨大な月を持ち運びやすくするためのひみつ道具「縮ませ光線銃」を手に入れるよう指示。こいつで月を小さくしてしまうのだ。

 指示通り、見事光線銃を手に入れたグルーだがライバルの悪党、ヘクターに横からかっさらわれてしまう。光線銃がなければ銀行の融資は受けられない。最新の防衛システムによって厳重に警護されたヘクターの屋敷には近づくだけで精一杯。