2月17日よりフランス映画『ベネデッタ』が公開されている。監督は『ロボコップ』や『スターシップ・トゥルーパーズ』などのポール・ヴァーホーベン。17世紀にレズビアン主義で告発された修道女のベネデッタ・カルリーニを追う「実話から着想を得た物語」となっている。
直接的な性描写のためにR18+指定がされており、パッと見のイメージからお堅い印象を持つかもしれないが、さすがはヴァーホーベン監督、エンターテインメント性も抜群の内容に仕上がっていた。その理由と魅力を記しておこう。
予想外の悲劇も起こる、一触即発のパワーゲーム
あらすじを記そう。修道女のベネデッタは家族から逃れてきた若い⼥性バルトロメアと出会い、秘密の関係を深めていた。ある晩ベネデッタに“聖痕”が現れ、司祭の前でも奇跡を起こしたことから修道院長に任命されるのだが、そのことが周囲に波紋を広げ、元院⻑の娘であるクリスティナからも疑惑と嫉妬の⽬を向けられる。
つまり、ベネデッタは強大な権力を手にする一方で、同性愛者だと暴かれれば激しい追及は免れない立場。その状況で、彼女を貶めようとする人々の思惑や、その悪意への抵抗が交錯し、時には予期せぬ悲劇も起こる、一触即発のパワーゲームが展開する。
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