◆「自由意志」を持つ濃姫に託されたもの
言うまでもなく、政略結婚をしながらも、勝気な性格で織田信長と渡り合い、そしてとある「夢」を幸せそうに語る濃姫に、綾瀬はるかはピッタリだ。
彼女は、言いたいことが言えず、男性社会の中で身動きが取れなかったであろう当時の女性とは真逆の「自由意志」を持った存在。織田信長と違ってあまり固定されたイメージがないからこそ、良い意味での「創作」ができたキャラクターと言っていいだろう。
その濃姫のキャラクターをもってして、本作には間違いなく現代に通ずるフェミニズム的なメッセージも託されている。彼女が「男らしさ」に囚われて虚勢を張っている織田信長をピシャリと言いつける様は痛快でもあるし、同時にそれこそがお互いの心を開くきっかけにもなる関係性も面白い。