マレンは母親と再会することで、自身のアイデンティティを受け入れることができるのか。また、マレンとリーは人間社会で生きていくことができるのか。目が離せない展開が続く。

 本作の原作となったのは、2015年に刊行されたカミーユ・デアンジェリスのYA(ヤングアダルト)小説『ボーンズ・アンド・オール』。過去にはカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』や湊かなえの『告白』などが選出された、全米図書館協会が発表する「アレックス賞」に選ばれている。

 カニバリズムというヘビーな題材を小説にしたカミーユは、どんな作家なのだろうか。原作小説の日本語版の編集を担当した早川書房の東方綾さんに尋ねた。