罪を犯しながら、旅を続ける若者たち
舞台は1980年代の米国、物語の主人公となるのは女子高生のマレン(テイラー・ラッセル)。小さい頃から引っ越しを繰り返し、父親(アンドレ・ホランド)の監視が厳しいこともあって、友達を作ることができずにいた。いつもひとりぼっちでいるマレンのことを、心優しいクラスメイトが気遣い、お泊まり会へと誘う。
父親の目を盗んでお泊まり会にマレンが参加したことから、衝撃的な事実が発覚する。マレンに優しく接するクラスメイトと戯れていたマレンだったが、ふいにクラスメイトの指をマレンは食いちぎってしまった。マレンはeater(人喰い)だったのだ。
マレンが事件を起こしたことを知り、父親は「これ以上は耐えられない」と姿を消してしまう。父親が去った後には、わずかなお金、出生証明書、録音テープが残されていた。録音テープには、幼少期のベビーシッターに始まり、マレンが親しくなった人たちを次々と捕食してきた過去が語られていた。
マレンは幼い頃に失踪した母親を探す旅へと向かう。母親を見つけることができれば、自分が生きる場所もあるのではないかと考えたのだ。長距離バスの行き先には、米国中西部の荒凉とした風景が広がっている。
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