今週の第1位は文春の「疑惑の銃弾」を推す。私はこういう記事が大好きだ。
疑惑の銃弾というのは、1984年、元実業家の三浦和義が保険金詐欺のためにロサンジェルスで妻を殺害したのではないかという疑惑を、文春が報じた時につけたタイトルである。
ロス疑惑といわれ、三浦のキャラクターもあって大きな話題になったが、妻殺しの件ではは無罪を勝ち取っている。
今回の疑惑の銃弾は、安倍元首相を狙撃し、殺害した銃弾は山上徹也被告(42)が撃ったものなのかという疑問である。
私も含めて多くの人は、昨年7月8日の事件以来、山上の撃った2発目の銃弾が安倍元首相の致命傷になったということに、何も疑問を抱かなかった。
「事件翌日、奈良県警が司法解剖の結果を公表。これによれば、安倍氏に当たったのは少なくとも二発の銃弾で、致命傷となったのは左上腕部から入った一発。これが左右の鎖骨下にある動脈を傷つけたことによる失血死だったと結論づけられた。この結果が報じられて以降は、銃弾について取り上げられることはあまりなかった」(社会部記者)
だが文春は、銃弾について関係者の間で密に注目を集めていることがあるというのだ。
昨年9月30日に開かれた奈良県議会の総務警察委員会で、自民党県議の質問に対して、銃撃事件で引責辞任した奈良県警・鬼塚友章前本部長の後任、安枝亮本部長が答弁に立ち、司法解剖の結果、安倍元首相の身体に当たった弾のうち一発について、こう明かしたというのである。
「右前頸部、首の付け根の右前あたりになるんですけれども、そこから入って右上腕部に至っているという状況でございます」
【こちらの記事も読まれています】