さて、岸田首相VS.菅義偉前首相の暗闘が始まっているとメディアは大騒ぎしているが、本当のところはどうなのか。

 朝日新聞の政治部記者で今はフリーのジャーナリストの鮫島浩が、サン毎で、これについて寄稿している。

 敏腕記者が見る暗闘の本当の姿とは何か。鮫島曰く、2人の後ろには安倍政権で不遇をかこった外務省、岸田の後ろには、防衛費倍増の裏で増税を目論む財務省がいると読む。

 そういえば、岸田の息子の翔太郎の外遊先の公用車を使った観光三昧は、日程を把握している外務省からのリークではないかと見ている。

 だが、防衛費を倍増するために増税もあり得るといったために、岸田は窮地に陥った。そのため、時期を先延ばしする発言に終始している。

 支持率は依然危険水域にある岸田首相には辞めてもらいたいが、さりとて、自民党の中の政治力や期待度は分からないが、菅義偉にもう一度首相の座に就いてほしいと思う国民は極めて少数だろう。

 野党はいうまでもないが、自民党も人材不足を通り越して、壊滅状態であることは間違いない。

 怖いのは、今ひとたび、安倍のような強いリーダーをという待望論が出てくることだ。付和雷同が染みついているこの国の民は、何も考えずにそうした方向に走りがちだ。

 そういう意味では岸田のような鈍らでちょうどいいのかもしれないが、そんな彼が、防衛費倍増、先制攻撃も辞さない国づくりに猛進している姿は、滑稽であるとともに、怖さも感じる。

 立川談志のいっていた、「バカは隣の火事より怖い」という言葉をこの頃思い出す日が多い。