NHK男女逆転『大奥』の第5話が放送され、<三代将軍家光・万里小路有功編>から<五代将軍綱吉・右衛門佐編>へとバトンタッチ。福士蒼汰と堀田真由による切なく美しい物語が終わりを迎えたことに後ろ髪をひかれつつ、お待ちかねの山本耕史×仲里依紗の濃ゆいコンビのお目見えに、現金だと言われようとワクワクが復活した人も多いはず。綱吉編では、強烈な光を受けて、闇が浮き立つ。

◆ついに流水紋の裃を着た福士蒼汰・大奥総取締の姿が!

ついに流水紋の裃を着た福士蒼汰・大奥総取締の姿が!
(C)NHK
 穏やかな日々を過ごしているかに見えた有功だったが、人はそう単純なものではない。それが、家光が懐妊し、皮肉にも想いのみから有功を褥(しとね)に呼んだことで露呈する。「やっとそなたと」と喜びを口にする家光に、「私は怖いのです。上様のお心という、いつ変わるとも知れぬものにすがって生きていくことが」「どうか、男と女のこの恐ろしい業から、私を解き放ってくださいませ」と懇願する有功。

 そうして、男女逆転大奥の世界において、非常に重要な役割である“大奥総取締”が誕生した。原作では、皆の上に立って水を注ぐがごとき、凛々しくも泰然とした有功の姿であったが、福士蒼汰の肉体を伴った実写では、「みなの思いに寄り添い、渇きを癒し、涙を洗い、時に四季を写し、なぐさめる。水の流れのようにここにありたいと望んでいる」と、みなの心に等しく染み渡るよう語り掛ける有功だった。八代将軍吉宗の世の水野祐之進(中島裕翔)に引き継がれた流水紋の裃だが、その際には、よどんだ空気を断ち切る1本の強く澄んだ川の流れのように、違った趣を与えていたのも面白い。