そんな中、実家が寺で霊感の強い魚住だけが直木の存在を認知する。直木のことを必死で伝えようとする魚住だったが、悠依は取り合おうとしない。しかし、魚住の身体に憑依した直木が、直木の得意とするハンバーグの味を忠実に再現したことで、悠依はやっと魚住の話を信じるようになる。
劇中では、悠依と話すことができない直木の間に魚住が入り、直木の意思を伝えようと試行錯誤する場面が繰り返し登場する。
そのため、井上真央、佐藤健、松山ケンイチの三人が同じ空間でやりとりする場面が多いのだが、三人のやりとりが面白く、ずっと見ていたくなる。
中でも芸達者なのが松山ケンイチ。悠依と直木の二人だけだと悲劇の色が濃くなり、井上と佐藤の芝居もシリアスで重たい方向に向かってしまうのだが、そこに松山が演じる魚住の飄々としたトーンが加わることで、空気が明るくなる。
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