金曜ドラマ(TBS系夜10時枠)で放送されている『100万回 言えばよかった』は、ファンタジーテイストのラブストーリーだ。

 美容師の相馬悠依(井上真央)は同じ里親施設で過ごした幼馴染のシェフ・鳥野直木(佐藤健)と結婚間近だったが、直木は突然、行方不明となる。捜索願を提出して直木を探す悠依だったが、ある日、刑事の魚住護(松山ケンイチ)が訪ねてくる。魚住は“幽霊となった”直木が悠依の側にいると伝える。

 物語冒頭、悠依の家に直木がいる場面が描かれる。どうやら直木はデートをすっぽかし、連絡が取れなかったらしい。怒って掃除機をかける悠依に直木は話しかけるが、会話はどうにも噛み合わない。やがて、悠依には直木の姿は見えず、言葉も届いていないことがわかる。

 つまり、この時点で直木は死んでいたのだ。しかし、幽霊となった直木は平然としており、自分が死んだことに気づいていない。直木の姿は普通の人には見えないため、いくら話しかけても意思疎通できない。