今回の契約によってボリビアのリチウム開発は本格化するとみられ、「世界のリチウム産業の大きな転換点になる」と分析する専門家もいる。
リチウムイオン電池の生産で中国は既にシェア80%の地位を築いている。チリやアルゼンチンでのリチウム採掘にも巨額の出資をしており、さらにボリビアまでが中国に押さえられてしまうという事態になった。米国や欧州、日本など西側の官民関係者が漏らす溜息は深い。
しかし、契約したCATL側にも不安がある。契約ではボリビアでの採掘は、効率的にリチウムの抽出ができる「直接リチウム抽出」(DLE)という方式で行われるが、中国のDLEの技術水準は未知数だ。実際に事業がスタートしても採掘は順調に進まないだろうと見る専門家は多い。YLB側はそれを見越しているのか、提携先を決めたばかりなのに、他の外国企業との協力を排除しない姿勢を示している。
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