アカデミー賞選出で命の危機、ボディーガードをつける!?
ーー世界最大の製作本数を誇る映画大国で、成長も著しいインド映画界ですが、ここ日本では、今もなおインド映画に対する「インドらしさ」ーーつまり「歌って踊る」というステレオタイプなイメージの作品が好まれている風潮があるようにも感じられます。
それが現在、日本でのインド映画の普及の障害ともなっているように思うのですが、ナリン監督は、日本の観客にインド映画にもっと興味を持ってもらうためには、何が必要だと思われますか?
パン・ナリン監督(以下、ナリン監督):それは私も常に考えていることです。1950~60年代に“インド映画の文法”が出来上がってしまって、それに則った映画作りが今も続いています。
かつてはラージ・カプール(40~70代年にかけて活躍したインド人映画スター)の作品がエジプトやロシアはじめ世界中で観られた時代もありましたが、スターシステムが確立されてからは、歌や踊りの得意な大スターが主演する映画がメインで、社会派なドラマ作品は輸出されにくい環境になってしまったと思います。
【こちらの記事も読まれています】